月経痛・月経困難症
女性の方の多くが悩まされる月経前後のからだの不調……
下腹部や腰などの痛みを主な症状として、ひどい方などは学校や会社に行けないほどにまで痛みをともなうことがあります。
症状について
症状には様々なものがあります。
気持ちの症状として
- 憂うつ・怒りやすくなる・イライラする・不安
- 判断力や集中力の低下・無気力になるなど
カラダの症状として
- 腹部の張りや痛み・乳房の張りや痛み
- 頭痛・腰痛・むくみ・強い眠気・下痢や便秘など
ひどい月経痛をもつ女性は約30%近く、25歳までの女性に限るとその割合は45%近くにまで上がります。
痛みの改善法
子宮内膜で作られる「プロスタグランジン」によって子宮筋が過度に収縮を起こすことが痛みの原因とされ、その産生量が多い人ほど痛みはひどくなります。
では、なぜ鍼灸で痛みの感じ方が変わるのか……
婦人科では原因がわからない月経困難症の一般的な治療としては以下等が処方されています。
- 鎮痛剤(NSAIDsプロスタグランジンの産生を阻害する働きがある)
- 鎮痙薬
- ピル
- 漢方薬
それ以外に腰や下腹部を温めたり、ストレッチなどで骨盤周囲の血流を良くすること、なども痛みの軽減に有効であるとされています。
鍼灸を受けることで、自律神経の興奮が抑えられ副交感神経が優位になり、リラックスでき、それによって血管が拡張し全身の血流が促進されます。
さらに特定のツボに刺激を与えることで子宮への血流が増えることもわかっています。これらの作用機序により月経痛の軽減につながると考えます。
痛みの軽減までの期間には個人差がありますが、早い方だと鍼灸開始の翌周期から変化を感じていただく方も多くおられます。
また、当院ではペインクリニックでも使われている近赤外線レーザー『スーパーライザー』も併用しています。
「仕方がない」「体質だから」とあきらめないで、一度鍼灸を試してみてください。
疾患によって起こる続発性月経困難症
*月経困難症には原因がわからない『原発性月経困難症』の他に、疾患によって起こる『続発性月経困難症』があります。
原因として多いものに以下のものがあります。
- 子宮内膜症
- 子宮の形態異常
- クラミジア感染
- 子宮筋腫
- 子宮腺筋症
- 骨盤内うっ血
- 癒着 など
処方される薬が変わってくることもありますので、あまりに症状のひどい方は病院を受診されることも必要かと思います。