不妊治療と鍼灸~良好な精子と禁欲期間~
2017年03月28日 | 不妊治療と鍼灸日々のいろいろ
挙児を希望されるカップルはタイミング、人工授精、体外受精と、それぞれの段階で少しでも妊娠する確率を上げようと様々な努力をされていらっしゃると思います。
そんな中、良好な状態の精子を得るために気をつけることは?と聞かれることがあります。
良好な精子とはどんなものでしょうか。
WHOが定める精子の下限値は以下の通りです。
精液量 : 1.5ml以上
総精子数 : 3900万匹以上
精子濃度 : 1500万匹(1mlあたり)
総運動率 : 40%以上
前進運動率 : 32%以上
生存率 : 58%以上
正常形態率 : 4%以上
となっています。
検査結果を見て一喜一憂されると思いますが、これらの数値をクリアしていても妊娠率が高くなるわけではありません。
また、WHOでは採精するための禁欲期間を推奨しています。
健康な人では2~10日となっています。
でもこれは 正確な精液検査を行うためのもので 良好な精子を採るためではありません。
妊娠率を上げるための良好な精子を得るための方法があるんです。
それは、精子を溜めないようにするということです。
イギリスの大学病院で行われた研究では、精液検査の結果が基準値を下回る被験者に40分の間隔で2回の採精をした結果、1回目よりも2回目の方が運動率や正常形態率が良好であったとの研究結果がありました。
精子量はさすがに少なくなりましたが、濃度は変わらず 運動率に至っては1回目8.8%だったのが2回目は26.5%に上昇していました。
この傾向は男性不妊と診断された方に顕著に見られます。
精子は卵子と違い毎日新しく作られているため、溜めることにより 古くなった精子から出る活性酸素による酸化ストレスが精子のDNAに損傷をあたえて 質の低下につながるためです。
また、別の研究では、1回目の採精後1時間後に採精した精子を使って人工授精を行った結果、平均の妊娠率が3倍になったという結果も出ています。
これらの結果から禁欲期間は必要でなく、なるべく頻繁に射精している方がいいとお伝えしています。
皆さんもぜひ参考になさってみてください。
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