不妊治療と鍼灸~妊活中の生活習慣~
2017年04月25日 | 不妊治療と鍼灸日々のいろいろ
不妊鍼灸を受けて頂いている患者さんから、妊活中の食事や栄養、そして
生活習慣 などについて質問をうけることがあります。
今回は 普段よく口にするものと妊娠率、出生率に関する興味深い報告がありましたので紹介したいと思います。
特に 男性パートナーの方に とても関係する内容なので
男性の方にも ぜひ目を通していただきたいと思います。
ハーバード大学とマサチューセッツ総合病院との共同研究「EARTH Study」により、ARTに臨むカップルの 男性パートナー171名の 過去1年間の1日当たりのカフェインとアルコール摂取量を調査し、その後
① 精液検査
② その後のカップルの205周期の治療成績
との関連を調べるというデータがとられました。
その結果、アルコールやカフェインの摂取量と精液所見に関連はみられませんでした。
しかし、その着床率、妊娠率、出産率には優位な差がみられました。
男性パートナーのカフェイン摂取量が
最も多かったグループの出産率は19%。
最も少なかったグループの出産率は55% でした。
また、男性パートナーがアルコールを
最も多く摂っているグループの出産率は61%。
最も少なかったグループの出産率は28% という結果でした。
この調査の場合、カフェインはコーヒーから、
アルコールはビールから摂取という答えが多かったのですが、
ではどのくらいの量ならセーフで どれくらいがアウトなの? って思われますよね。
カフェインについては少ないグループ順に平均115mg、232mg、361mg。
コーヒー1杯のカフェイン量は100~150mgなので、
この研究では男性パートナーが一日にコーヒーを
1杯飲むグループ、2杯飲むグループ、3杯飲むグループということになります。
1日に飲むコーヒーの量が多くなればなるほどARTの成績が下がっているという結果です。
また、別の研究では、カフェインを300mg以上摂ると精子のDNA損傷率が上昇する(Hum Retrod. 2007; 22: 180)と発表されています。
DNAの損傷は もちろん女性側のリスクにもなりますね。
アルコールについては多く摂っている方が出産率は高くなっていて意外・・
と思われるでしょうが 成績が良かったグループでもその量はビール小ビン1本~中ビン2本弱ということですので、飲めない人が無理に飲む必要はありません。
飲める人でも缶ビール1本くらいにしておいた方がいいのではないでしょうか。
以上のことから、妊活中のカップルはカフェインの摂取には特に注意した方がよさそうです。
【コーヒー以外でカフェインを含むもの】
・眠気覚ましのガム
・チョコレート
・ココア
・お茶・紅茶
・栄養ドリンク
お茶の中では 麦茶やルイボスティーにはカフェインが入っていませんし
どうしてもコーヒーが・・という方は、代替コーヒーのタンポポコーヒー(カフェインは入っていません)などを使われてもいいと思います。
あまりダメダメと思ってストレスになってはいけませんが、量をコントロールしたり、少し楽しみ方を変える、といったことから始められてはいかがでしょうか。
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